高橋尚夫

たかはし・ひさお

1944年、東京都生まれ
大正大学仏教学部梵文学科卒業、同大学院博士後期課程単位取得退学
現在、真言宗豊山派総合研究院宗学研究所所長、大正大学名誉教授、真言宗豊山派大王寺住職

著書 『曼荼羅』共著、大法輪、1993年
梵藏漢対照『維摩經』『智光明莊嚴經』共著、大正大学出版会、2004年
梵文校訂『維摩經』共著、大正大学出版会、2006年
『梵文和訳維摩経』共訳、春秋社、2010年
越後乙宝寺蔵 無言蔵大願著『梵学秘要篇』共編著、ノンブル社、2012年
『ラモットの維摩経入門』監修、春秋社、2015年
『空海とインド中期密教』共編著、春秋社、2016年、ほか多数

 


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維摩経ノート〈 I 〉    全5巻

古今東西の仏教者にくり返し愛読されてきた『維摩経』の完全版!
仏教の基本思想はもちろん、経典を読む楽しさも味わえる一書です

書評〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
聖徳太子以来、日本仏教で最重要視されてきた経典の中に『維摩経』がある。維摩居士と仏弟子、文殊とが織りなすドラマチックな展開は、古から僧俗を問わず多くの知識人の心を魅了してきた。

 その原本であるサンスクリット写本が、大正大学綜合仏教研究所調査団としてチベット・ポタラ宮に入っていた著者によって初めて発見された。1999 年7月のことだ。そのニュースは、「仏教研究における20世紀最大の発見の一つ」として世界を駆け巡った。

研究は「現存しない」とされてきた原典の発見で新たな段階に入り、台湾で3 年続けて国際学会が開かれるなど、世界中の研究者・仏教者の熱い視線が注がれている。そうした『維摩経』研究を根底から支えるテキストが本書だ。

 梵文写本の校訂テキトをもとに、左頁にサンスクリット・チベット訳・三漢訳(支謙・羅什・玄奘訳の漢文と書き下し文)を配置。右頁にサンスクリットからの和訳と訳註、チベット訳からの和訳(長尾雅人・大鹿賀秋・河口慧海)、羅什の注釈とコメントを付した。巻末には比丘の美徳や衆生・如来の身体の特性など、各品における主要項目を梵・蔵・漢で対照させた「付表」を収載。研究者だけでなく、仏教に興味を持つ一般読書人にも読みやすいように工夫されている。

著者は『維摩経』の重要性について、「人間の生き方が全編を通じて明確に説かれている。人生の大きな支えになる」と指摘。奈良・興福寺の名の出典になるなど、「『維摩経』は日本文化に深くしみ込んでいる」と言う。

全5巻で順次刊行。今巻には「仏国品第一」「方便品第二」を収録。
仏教タイムス2017.5.18

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推薦 : 萬金川先生(佛光大学佛教学院院長)

この力作はすでに一つの極めて困難で超越的な学術の高みに到達されたことになる。それだけではなく予見できることだが、この巨著が日ならずして出版されたならば、『維摩経』に関する研究は勢いを増し、この新たなターニングポイントによって必ずや渙然氷釈(氷のとけるように、 疑惑や迷いがなくなる)の段階に入るであろう。〈抜粋〉


もくじ

推薦のことば 萬 金川: 和訳(翻訳 : 西野翠)

はじめに/凡例/参考文献/その他の参考文献/ラモット引用文献<br />

Chapter I 仏国品  第一

Chapter II
 方便品  第二

付 表
  

仏国品第一●
表1 比丘の美徳(I-2)/ 表2 菩薩の諸徳(I-3)/ 表3 アームラパーリー園に集った菩薩たち(I-4)/ 表4 仏国土建設の資材――十八種浄土の因(I-13)/ 表5 仏国土建設のプロセス(I-14)

方便品第二●
表6 維摩詰の内なる徳性(II-1)/ 表7 維摩詰の外なる徳性(II-2~6)/ 表8 多病の器である身体(II-8)/ 表9 身体を表わす十の喩え 十喩(II-9)/ 表10 身体を五大に喩える(II-10)/ 表11 衆生の身体 肉身(II-11)/ 表12 如来の身体――法身(II-12)