まえがき 1
はじめに 27
第一章 人間の業欲を問う
一、異生羝羊住心 35
二、悪業がまかり通る日本 45
三、自我の主張が人間らしさだと勘ちがいした日本人 47
四、『理趣経』はセックスを説くお経か 52
五、コトバの暴力 62
六、エコノミックアニマルという汚名 66
七、施餓鬼(せがき)供養と飽食の餓鬼 70
八、性欲を菩薩の「大欲」に 78
第二章 人間の良心を問う
一、愚童持斎住心 85
二、節食を忘れた日本人 87
三、形骸化した持斎 88
四、「三つ子の魂」の貧しい現状 95
五、仏教入門としてのモラル 103
六、死者への畏敬と感謝 111
七、この国のかたち 120
八、危うい生命倫理 130
九、科学の暴走という不道徳 137
第三章 人間の宗教心を問う
一、嬰童無畏住心 145
二、ヒンドゥーの神々と道教の神々 152
三、日本の神々と神仏習合 160
四、山岳信仰と修験 170
五、熊野信仰 179
六、大師信仰(一) 四国遍路 185
七、大師信仰(二) 高野山 197
八、観音・不動・地蔵・稲荷・聖天の信仰 207
九、受難に耐える日本の仏教 220
第四章 釈尊とアビダルマの仏教を問う
一、唯蘊無我住心 235
二、釈尊の仏教 237
三、小乗仏教の二十部派 241
四、出家修行者・声聞の道 245
五、声聞の瞑想法 249
六、声聞の修行の段階 254
七、声聞道の理法 257
八、声聞が実在と見る「諸法」 261
九、空海の声聞道 264
第五章 師もなく独りで究める小乗を問う
一、抜業因種住心 283
二、十二因縁 284
三、縁覚の戒・方便・境地・階位・種別 287
四、師もなく独り学び修行する今の真言僧へ 293
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第六章 大乗の深層心理学を問う
一、他縁大乗住心 317
二、唯識思想の要諦 319
三、瑜伽行者の修行段階 330
四、唯識の「諸法」 345
五、唯識の三国伝灯 348
六、仏教を学問するということ 367
第七章 大乗の論理学を問う
一、覚心不生住心 373
二、中観思想の要諦 374
三、縁起説あれこれ 378
四、中観の三国伝灯 379
五、中観の「空」と慈悲・利他 385
六、「空」を引き算の文化にした日本の精神性 387
七、禅を知って禅をとらず 392
第八章 「一乗」主義を問う
一、一道無為住心 397
二、法華「一乗」の根拠 399
三、諸法実相 414
四、「空・仮・中」を観想する「止観」 416
五、最澄の天台宗と空海の真言宗 423
六、天台宗から出た念仏・唱題・坐禅 433
七、空海と良きライバル最澄のこと 445
八、日本人の付和雷同性とマインドコントロール 452
第九章 「一即多」「多即一」を問う
一、極無自性住心 457
二、『六十華厳経』 462
三、「法身」毘盧舎那仏 465
四、一毛孔・一塵に宿る「法身」・「仏国土」 468
五、菩薩の修行の十段階 470
六、「善財童子」求法の旅五十三次 471
七、華厳思想の要諦 476
八、華厳の肯定の思想を自己否定の哲学にした曲学 481
第十章 空海の秘密の「方法」
一、秘密荘厳住心 505
二、胎蔵・金剛両界曼荼羅 506
三、四種曼荼羅 529
四、両部の大経 530
五、顕教と密教 540
六、説法する「法身」 543
七、「六大」所成の「法身」 546
八、「即身」に「成仏」する 548
九、真言宗の主な常用経典 552
十、「金剛薩埵」という人間の理想像 586
十一、空海の「秘密」 591
あとがき 597
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