駄菓子屋の社会学
駄菓子屋はこれからどうなるのか
駄菓子屋を、廃れさせないためにはどうしたら良いのか……。
その歴史と、駄菓子屋が果たしてきた社会的役割に言及し現状を分析する。時代の変化に合わせ研鑽を続ける店主の取り組みや、菓子製造業者に生の声を聞くなど、文献だけに頼らず駄菓子屋の未来へのあり方を提言する
目 次
序 章 なぜ駄菓子屋を研究するのか
一、問題意識/二、研究目的/三、研究方法
第一章 駄菓子屋のはじまり
第一節 駄菓子屋の歴史
㈠駄菓子はいつごろ生まれたのか/㈡駄菓子の〝駄〟の由来とは/㈢駄菓子屋はどのように始まったのか/㈣樋口一葉と駄菓子屋/㈤駄菓子屋にはどんなものがあるのか
第二節 駄菓子の役割
㈠〝当てモノ〟の役割/㈡〝おまけ〟の存在、役割/㈢〝お小遣い〟の存在、役割
第三節 駄菓子屋の数
㈠歴史から見る/㈡子どもたちの変化、社会の変化
第二章 今に残る駄菓子屋
第一節 川越の菓子屋横丁
㈠信州松本が起源/㈡〝のれん分け〟によって横丁ができる/㈢関東大震災による転機/㈣太平洋戦争で衰退/㈤戦後の再建/㈥菓子屋横丁の現状/㈦菓子屋横丁のこれから
第二節 古くから残る駄菓子屋
㈠株式会社ミサキ(駄菓子縁日一直線)/㈡本所かえる本舗/㈢マルヒデ商店/㈣大熊商店/㈤ミミ/㈥松本や/㈦上川口屋
第三節 新しい駄菓子屋
㈠楽駄屋の〝やおきん〟/㈡駄菓子屋大手チェーン〝夢や〟/㈢コンビニで駄菓子販売〝サークルKサンクス〟/㈣まとめ
第四節 駄菓子屋の存在意義
㈠駄菓子屋の意味/㈡子どもたちの変化/㈢親の変化、見えてきた状況/㈣駄菓子屋を続けていきたいと思うか
第三章 駄菓子をつくる
第一節 〈きなこ棒〉は食文化(株式会社鈴ノ屋を例に)
㈠〈きなこ棒〉【鈴ノ屋】/㈡経営理念/㈢こだわり/㈣長年愛される理由/㈤まとめ/㈥つくり方
第二節 味・値段・ボリュームのひみつ(宮田製菓株式会社を例に)
㈠〈ヤングドーナツ〉【宮田製菓】/㈡〈ヤングドーナツ〉の生い立ち/㈢つくり方/㈣こだわり/㈤愛される理由/㈥売上げと今後/㈦まとめ
第三節 職人のこだわり
㈠〈飴菓子・芋菓子〉【松陸製菓】/㈡〈ピースラムネ〉【本多製菓】/㈢〈都こんぶ〉【中野物産株式会社】/㈣〈こざくら餅〉【株式会社明光製菓】/㈤〈花串カステラ〉【梅田製菓株式会社】
第四節 時代の変化と駄菓子の変化
㈠原材料/㈡パッケージ/㈢味/㈣まとめ
第四章 駄菓子の新たな可能性
第一節 インターネット販売における駄菓子(マルヒデ商店を例に)
第二節 大人の駄菓子屋(駄菓子バーを例に)
第三節 新たな取り組み
㈠グループホーム、デイサービスと駄菓子屋/㈡駄菓子をつくる工夫
第五章 駄菓子屋と駄菓子の未来
第一節 駄菓子屋はどうなるのか
㈠売る人たちの意見/㈡つくる人たちの意見/㈢駄菓子屋は〝社会への第一歩〟
第二節 駄菓子を未来に伝える・提案
㈠駄菓子屋のスタイルが変わる/㈡未来に残すための提案
終 章 駄菓子は日本の文化である
一、〔仮説Ⅰ:昔ながらの駄菓子屋は経営が厳しくなり、いつか廃れるのではないか〕
二、〔仮説Ⅱ:駄菓子屋に置いてある駄菓子に魅力が感じられなくなるのではないか〕
三、駄菓子メーカーの存続のために